重ね合わせによる利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 16:32 UTC 版)
他のばねと同様、複数の皿ばねを使用することで直列あるいは並列のばね定数を得ることができる。フックの法則#ばねが複数の場合などを参照のこと。 皿ばねを同じ向きに重ね合わさると並列ばねの効果を発揮する。この組み合せ方を並列重ねと呼ぶ。皿ばねを互い違いに重ね合わさると直列ばねの効果を発揮する。この組み合せ方を直列組合せと呼ぶ。重ね合わせをしたときはバネ間での摩擦が増えるので、より大きくヒステリシスが発生する。また、重ね合わせて使用する場合は皿ばねが崩れないようにガイドが必要となり、ピン状のものを皿ばねに通すか、筒状のものに皿ばねを入れるかをする必要がある。 皿ばねを n 枚並列重ねしたとき、総たわみ δT は1枚のときと変わらない。一方で総荷重 PT は1枚のときの n 倍必要になる。P と δ を1枚のときの荷重とたわみ、L0 を重ね合わした皿ばねにおける無負荷時の総高さとする。これらを式で表せば P T = n P {\displaystyle P_{T}=nP} δ T = δ {\displaystyle \delta _{T}=\delta } L 0 = H 0 + ( n − 1 ) t {\displaystyle L_{0}=H_{0}+(n-1)t} である。 一方、皿ばねを m 枚直列組合せしたときは、総荷重 PT は1枚のときと変わらないが、総たわみ δT は1枚のときの m 倍になる。式は P T = P {\displaystyle P_{T}=P} δ T = m δ {\displaystyle \delta _{T}=m\delta } L 0 = m H 0 {\displaystyle L_{0}=mH_{0}} である。 皿ばねを n 枚並列重ね・m 枚直列組合せしたときは、 P T = n P {\displaystyle P_{T}=nP} δ T = m δ {\displaystyle \delta _{T}=m\delta } L 0 = [ H 0 + ( n − 1 ) t ] m {\displaystyle L_{0}=\left[H_{0}+(n-1)t\right]m} となる。
※この「重ね合わせによる利用」の解説は、「皿ばね」の解説の一部です。
「重ね合わせによる利用」を含む「皿ばね」の記事については、「皿ばね」の概要を参照ください。
- 重ね合わせによる利用のページへのリンク