連隊とカーネル・イン・チーフ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 20:37 UTC 版)
「イギリス陸軍」の記事における「連隊とカーネル・イン・チーフ」の解説
前述のように、イギリス陸軍はそれぞれ個別の「カーネル・イン・チーフ」(名誉連隊長)が所有する連隊のいわば寄せ集めである。カーネル・イン・チーフはかつては私財をもって連隊を養う実際上の所有者であったが、現在においては全ての連隊にかかる費用は国家予算によってまかなわれている。しかし形骸化し実際の仕事は連隊の式典に出席するぐらいになったとはいえ、カーネル・イン・チーフという制度自体は現在も存在しており、特殊偵察連隊(SRR:Special Reconnaissance Regiment)のような特殊なものを除いて、ほぼすべての連隊にカーネル・イン・チーフが存在している。 2006年6月6日以降、カーネル・イン・チーフはすべてイギリス王族または外国国王である。また、軽竜騎兵連隊(The Light Dragoons)、ロイヤル・プリンス・オブ・ウェールズ連隊(The Princess of Wales's Royal Regiment 〈Queen's and Royal Hampshires〉)に関しては、それぞれ外国人であるヨルダン国王アブドゥッラー2世、デンマーク女王マルグレーテ2世がカーネル・イン・チーフとなっている。また、2006年6月6日のグリーンハワード連隊(The Green Howards〈Alexandra, Princess of Wales' Own Yorkshire Regiment〉)のヨークシャー連隊への統合まではノルウェー国王ハーラル5世が同連隊のカーネル・イン・チーフの地位にあった。 形式上カーネル・イン・チーフより一つ下の役職である連隊長(Colonel)は、イギリス陸軍においては功績のあった将官もしくは王族による形式上の名誉職であり、連隊の実際の指揮を執ることは現在ではまず考えられないため、その任務は指揮担当士官(Commanding Officer)の役職名で連隊長代理(Lieutenant-Colonel)が行っている。また、この場合の“Colonel”は陸軍大佐(Colonel)と全く同じ語ではあるが陸軍の階級とは関係なく、カーネル・イン・チーフと同様の名誉称号のようなものである。
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