連続変調ではない声調変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/22 14:32 UTC 版)
「連続変調」の記事における「連続変調ではない声調変化」の解説
連続変調は、条件がそろった場合には必ず発生する。連続変調を派生や屈折による声調変化と混同してはならない。例えば広東語で「糖」は「砂糖」を意味するときは低(降)調で tòng(/tʰɔːŋ˨˩/ または /tʰɔːŋ˩˩/)と発音するが、「飴」を意味するときは上昇調で tóng(/tʰɔːŋ˧˥/)と発音する。この声調変化は音韻的な環境によって発生するわけではないので、連続変調の例にはならない。普通話の軽声化も連続変調の例にはならない。 福建語(台湾語)では、kiaⁿ(高平調、「驚く」)と lâng(上昇調、「人」)の連続によって2つの異なる声調をもつ複合語が作られる。kiaⁿ に連続変調の規則を適用して、lâng はそのままにした場合(白話字では kiaⁿ-lâng と綴る)、「おどろくほど汚ない」「不潔な」という意味になる。これは基本的な連続変調の規則に従っている。しかし、kiaⁿ を元の高平調のままにして lâng を低平調にした場合(kiaⁿ--lâng と書かれる)、「おどろくべき」という意味になる。この派生プロセスは、kiaⁿ に lâng が続いたときに意味と無関係に自動的に起きる変化ではないため、やはり連続変調とは見なされない。
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