軽装の駱駝騎兵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 01:48 UTC 版)
軽装の駱駝騎兵の長所は、その砂漠での機動力を生かしたゲリラ戦である。灼熱の砂漠の向こうから突然出現し、弓や投槍、銃によって奇襲を行い、敵の追撃が始まる前に追撃の困難な砂漠に逃げる。もしくはあえて追撃させて砂漠に敵をおびき出し、そこで壊滅させるといった戦法である。 これには前述したアッシリアと戦ったアラビアの駱駝騎兵がいるが、この場合はアッシリア側の多少の誇張もあるだろうが打ち負かされている。盾も持っていない腰布だけ付けたアラビア人は、二人一組でこれまた何も付けていない駱駝に騎乗していて、一人が騎手、もう一人は射手を担当しているが、兜と鎧を装備したアッシリアの騎兵に追いつかれ弓や槍によって仕留められている。 他にもローマと戦ったセレウコス朝シリアでも、また十字軍の遠征に対しても駱駝騎兵は戦っており、いずれの駱駝騎兵もその多くが砂漠での生活に長じたアラビア人がヒトコブラクダに騎乗した騎兵であり、彼らは重装備で機動力に劣るレギオンや騎士を砂漠での戦いで打ち破っている。ヒトコブラクダ以外にもフタコブラクダやこの2種を掛け合わせた種類のラクダも用いられた。 近代においてもヨーロッパ列強による植民地化に対して、北アフリカや西アジアの砂漠地帯の住民(ベドウィンやベルベル人)は駱駝に騎乗し、銃を装備しゲリラ戦を行っている。
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