貝殻の巻き方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 05:10 UTC 版)
カタツムリには右巻き(右旋:dextral)と左巻き(左旋:sinistral)があり、上から見て、渦の中心からどちら回りに殻が成長するかで決められる。実際に区別をするには、殻頂を上にして貝殻の口を自分の方に向けた時、殻の口が右にあれば右巻き、左にあれば左巻きとするのが簡単である。日本産のものでは種ごとに巻きの方向が遺伝的に決まっており、大部分の種は右巻きであるが、ヒダリマキマイマイなど少数の左巻き種がおり、キセルガイ科のように科全体が左巻きのものがいる。 巻きの方向を決めるのは一つの遺伝子によるとされ、この遺伝子が欠如もしくは機能しない場合、その種本来の巻き方向とは逆に巻いた逆旋回個体となる。実際に逆旋個体が発見されることがあるが、極めて稀な例である。通常、逆旋個体は体の構造も逆で、交尾孔が右旋個体は右側、左旋個体は左側に開く。多くのカタツムリでは対面しながらすれ違う位置で交尾孔のある側を相互に合わせるため、巻き方が逆であると交尾が困難となり種分化がおこる場合があると考えられている。外国にはポリネシアマイマイやマレーマイマイのように同一種内で右巻きと左巻きの両方が普通に出現する種類がある。このような両旋型の種の交尾は、他方の殻の上に、もう一方の個体が乗るマウンティング形式であるために、巻き方の違う個体同士でも交尾が可能である。
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