議論の拡張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/28 06:48 UTC 版)
フィッシャーの原理は、ナイーブな群選択理論、つまり種の保存や種の維持という概念が全盛であった頃に、個体選択の力強さを示した最も初期の例であった。特にゾウアザラシのような一夫多妻の種で、なぜ群れの大きな部分をただ食料を消費するだけの独身のオスが占めているかが説明できる。しかし、当初は注目を集めなかった。 フィッシャーは二世代だけでなく、三世代目まで適応度に含め計算することでこの問題を解決した。フィッシャーの原理は、集団遺伝学者のR.F.ショーとJ.ドーソン・モーラによって数学的に表現された。また、フィッシャーの原理は進化ゲーム理論のさきがけでもある。ロバート・マッカーサー(1965)は、最初にゲーム理論を性比に適用することを提案した。そしてハミルトンの「打ち負かされない戦略 (1967)」に取り入れられた。ハミルトンの打ち負かされない戦略はジョージ・プライス(1972)に着想を与え、プライスとジョン・メイナード=スミスとよって「進化的に安定な戦略」(1973)として洗練された。
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