警察長の階級及び待遇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 10:57 UTC 版)
警察本部を設置する自治体警察では警察長が階級であるが、法49条で警察署長は警部補以上と定められており、警察長は警察署長を兼任することができた。このことから、兼任警察長の階級は自治体によって警部補-警視の階級で始まっている。また、市職員としての階級は専任警察長で部長級、警察長兼任警視署長で部長または課長級、兼任警部署長で課長級、兼任警部補署長で課長または係長級というのが概ね一般的である。しかし、各自治体警察は警察吏員に要する人員を厚待遇で確保する傾向にあり、これは警察長も例外ではない。待遇向上と、国家地方警察から警察署を移管されて警察本部を新たに設置する自治警もあったため、警察長でも昇進するものが増えるに至る。発足して2年もたつと兼任警部補署長が著しく減る一方で警部や警視が増え、さらに警視正に任命される者が増えた。また、全体的に自治警の警察吏員の給与水準は同階級にある国家地方警察の警察官のそれと比べ20%かそれ以上高く、警察長に任命される場合が多い警視正では平均で5割強も高くなる傾向も見られた。これら警察吏員の厚遇は自治体の警察費を圧迫した。赤字状態が恒常化した自治警では市民から寄付を募ることがあり、警察長がその先頭に立って寄付集めに奔走した自治体もあったが、この寄付が癒着を招く背景にもなる。
※この「警察長の階級及び待遇」の解説は、「警察長」の解説の一部です。
「警察長の階級及び待遇」を含む「警察長」の記事については、「警察長」の概要を参照ください。
- 警察長の階級及び待遇のページへのリンク