誤嚥性肺炎の予防
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/26 08:01 UTC 版)
酸度の高い胃液の誤嚥は重篤な肺炎を引き起こす危険がある。胃液による誤嚥性肺炎の重症度は、胃液のpHや量、残渣の有無や性状に関与している。一般に胃液のpHが2.5以下で、胃液量が25ml(0.4ml/kg)以上の症例では、誤嚥性肺炎を起こす危険性が高いとされている。胃液の酸度や量は、年齢や患者の状態によって異なる。若年者では高齢者より胃液pHが低く胃液量は多いが、誤嚥の頻度は高齢者のほうが多い。 肥満者は非肥満者に比べて胃液量が多く、胃液pHも有意に低い。妊婦や糖尿病患者では胃内容の排泄時間が延長している。 誤嚥性肺炎の予防的処置は、第一に誤嚥させないことであるが、胃液量を減少させ、胃液pHを上昇させることで、誤嚥時の重症度を軽減させることができるかもしれない。ヒスタミンH2遮断薬や制酸薬は胃液量を減少させ、胃液pHを上昇させることにより、誤嚥した場合の肺炎を軽減する可能性がある。
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