角の保存と広義の円
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 03:18 UTC 版)
上述の分解から、円に関する反転 (circle inversion) についての非自明な性質がすべてメビウス変換にも遺伝していることが確認できる。たとえば、メビウス変換が等角写像となることは、反転以外の変換は拡大縮小と等距変換(平行移動、鏡映、回転)で明らかに角を保つので、円に関する反転が角を保つことの証明に帰着される。あるいはさらに、円に関する反転が広義の円を広義の円に写すことから、メビウス変換も同じ性質を持つ。ここで「広義の円」とは、直線については無限遠点を通る半径無限大の円と考えて円と直線をひとまとめに扱った概念である。メビウス変換によって狭義の円が直線に、直線が狭義の円に移ることもあり、必ずしも狭義の円が狭義の円に、直線が直線に写されるものとは限らないことに留意すべきである。また、円が円に移る場合においても、一方の円の中心が他方の円の中心に移るとは限らないことにも注意。
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