製成酒の特長
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/28 05:37 UTC 版)
生酛においては、菌や酵母の生存競争が長い時間をかけて行なわれるぶん、生き残った酵母の生命力が強い。そのため、吟醸造りの低温環境においても、最後までしっかりと味を出しきる。 また醗酵中、あるいはその末期(醪末期)の死滅率は、他の方法で培養された酵母より低い。それゆえ死滅した酵母から溶け出す余分なアミノ酸も少なくなるので、結果的に生酛系の酒は肌理(きめ)が細かく、まったりとした吟味を出し、熟成させても腰が崩れない酒になる。 酒中で生成される酸もじつに多様で、健全醗酵によって生成された酸はきれいな旨味の素となるが、不健全醗酵によって生成された酸は不快な酸味、苦味、エグ味の原因となる。生酛造りが失敗すると、醪の中にこのようなまずい酸が多くなり、鼠渡り(ねずみわたり)と呼ばれる腐造寸前の出来上がりとなることも多い。
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