補完性原理の起源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 06:42 UTC 版)
補完性原理というのは、基本的には個人や小規模グループのできないことだけを政府がカバーするという考え方である。この考えの基本には「個人の尊厳」があり、国家や政府が個人に奉仕するという考え方がある。補完性原理は個人および個人からなる小グループ(家族、教会、ボランティアグループ)のイニシアティブを重視する。 補完性原理の起源をたどるとカトリック教会の社会教説、具体的には1891年の教皇レオ13世の回勅『レールム・ノヴァールム』(『新しきことども』)にたどりつく。この回勅はカトリック教会が社会問題・労働問題に正式に言及した最初のものである。『レールム・ノヴァールム』は政府がすべてをコントロールするのではなく、かといって個人にすべてが任されるのではない、その中道の政府を理想とした。以降、この教説がカトリック教会の国家観の基本姿勢となり、ピウス11世の『クアドラジェジモ・アンノ』(『四十周年に』、1931年)でさらに発展させられ、アメリカ合衆国司教団による声明『万人のための経済的正義』(1985年)で具体化されることになる。
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