蝦蟆神退治
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 12:55 UTC 版)
『上社物忌令』と『陬波私注』には以下の伝承が見られる。 正月一日の蝦蟆狩之事蝦蟆神成大荒神、乱悩天下時、大明神彼ヲ退治御座し時、四海静謐之間、陬波ト云字ヲ波陬(なみしづか)なりと読り、口伝多し。望人ハ尋へし、于今年々災を除玉ふ、謂ニ蟇狩是ナリ。 — 『上社物忌令』(神長本)より つまり、諏訪明神が大荒神となって天下を悩ませている「蝦蟆(蛙)神」を退治して、四海が静謐となった。このことから「波しずか」とも読める「陬波(すわ)」という名を得た。口伝によると、元旦に行われる蛙狩神事はこの出来事を模した神事である。 更に明神が退治した蝦蟆神を竜宮城に通ずる穴に閉じ込め、石でふたをし、その上に座した、ともいわれている。 この話については、蛇神としてのタケミナカタと土地神(ミシャグジあるいは洩矢神)による神権争奪を意味するという説や、陬波大王の悪龍退治の同系異伝もしくは変奏とみる説、あるいは諏訪明神と同定される降三世明王と宇賀神の三毒退治を表すという説などがあげられている。
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