虎が石と伝承
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 15:49 UTC 版)
各地には虎御前の伝承と結び付けられた虎が石が存在する。大磯町の延台寺に伝わる虎が石は、子宝祈願のため虎池弁財天を拝んだ山下長者の妻に与えられ、やがて夫妻は虎御前を授かった。虎の成長とともにこの石も成長し、祐成を賊の矢から防いだことで身代わり石とも呼ばれる。静岡県の足柄峠に伝わるものは、兄弟の仇討ちの成功を案じた虎御前が、仇討ちの場所となる富士の裾野を常々眺め暮らすうちにその念が石と化して残ったもので、美男が持てば軽く上がるという。大分市に伝わる虎御前石は、兄弟の菩提を弔うため尼となって諸国を巡った虎御前が、この石に座って体を休めたと伝えている。 また、山梨県南アルプス市芦安安通では虎御前はこの地の出生と伝えられ、祐成の死後は同地に帰って亡くなったという。兵庫県朝来市では虎御前がこの地を訪れた際に足を患い、同地で没したとの伝えがあり、虎御前の墓が存在する。 こうした虎御前の伝承が諸国に広くみられるのは、曽我伝説を流布していた各地のトラと呼ばれた巫女達の行為及び活躍が、虎御前そのものとして後世に伝わったものと民俗学者の野村純一は推測している。
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