薬殺刑を停止した州
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 09:07 UTC 版)
ノースカロライナ州では2007年以降薬殺刑が事実上停止された。これは2006年4月に内科医のロベルト・ビルブロなど5人の医師が、医師免許を管轄する権限を持つノース・カロライナ州メディカル・ボード(医療監察委員会)に投書し、「医師が死刑執行に関わるのは『命を救う』という本来の責務に悖る(もとる)。倫理の観点から医学界として立場を明確にしなければならない」と「死刑執行に関わる医師の役割」についてボードが立場を明確にすることを求めた。2007年1月、ボードは、既にアメリカ医師会が倫理規定で「医師は死刑執行に関わるべきでない」と決めたことを指摘して「反倫理行為は罰する」と立場を明確にし、全員一致で「医師が死刑執行に関わる行為は倫理の観点から許されない。今後、関わった医師は免許取消など処罰対象とする」と結論した。 この結果、州矯正局職員である医師も含め医師全員が立ち会いを拒否した(出典:医学書院『週刊医学界新聞第2736号(2007年6月18日)』)。なおノースカロライナ州の州法が「死刑執行に医師を立ち会わせなければならない」と規定していたため、州法の規定が改正されないかぎり薬殺刑の実施は事実上不可能である。
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