花粉の形成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 22:55 UTC 版)
花の雄しべの先端には葯(やく)という袋があり、2つの半葯に分かれている。半葯の中には,葯室(花粉嚢)があり,そこで花粉が形成される。葯室(花粉嚢)の内部には多くの花粉母細胞があり、減数分裂によって、4個の細胞を形成する。1個の花粉母細胞から生じた4個の細胞をまとめて花粉四分子と呼び、個々の細胞は小胞子(または花粉細胞)と呼ぶ。成熟過程で、花粉四分子の4個の細胞は互いに離れ、それぞれが花粉となる。小胞子は体細胞分裂するため、成熟した花粉は花粉管細胞と雄原細胞の2個の細胞からなる。 裸子植物では細胞壁内に前葉体細胞と花粉管細胞、生殖細胞を生じる。被子植物ではまず花粉管核と雄原核に核の分裂が起きる。このとき細胞質の分裂も起き2つの細胞に分かれるが、雄原核をとりまく原形質は極めて薄い。細胞分裂後、雄原細胞は花粉管核を持つ細胞に取り込まれ、入れ子状態となる。雄原細胞は後に再度分裂して2個の生殖細胞となる。 花粉は細胞壁が厚くなり、形は種によって異なり、表面にはそれぞれの種で特有の構造を持つ。風媒花であるマツの花粉は、空気を受ける袋状の構造を持つ事で有名である。
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