良い格子分布の条件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/04 03:27 UTC 版)
計算格子に関して望まれる性質は 数値計算の結果の信頼性が高いこと 数値計算が安定に行われること 格子の無駄が少ないこと であり、そのために以下のことに留意することが必要である。 直交性 計算格子に流入する流束は格子に垂直な面を評価するため、流束ベクトルと直交しない格子面は誤差の増加を生じうる。格子と流れ方向の関係のことはアライメントと呼ばれる。 隣接する格子間隔の比 隣り合う格子の大きさの比は1にできるだけ近いことが精度の維持に有効である。たとえば3つの格子点を用いて2階微分の中心差分を行うと d 2 f d x 2 = 2 Δ x j + Δ x j + 1 ( f j + 1 − f j Δ x j + 1 − f j − f j − 1 Δ x j ) + 1 3 ( Δ x j + 1 − Δ x j ) f x x x + ⋯ {\displaystyle {\frac {d^{2}f}{dx^{2}}}={\frac {2}{\Delta x_{j}+\Delta x_{j+1}}}\left({\frac {f_{j+1}-f_{j}}{\Delta x_{j+1}}}-{\frac {f_{j}-f_{j-1}}{\Delta x_{j}}}\right)+{\frac {1}{3}}(\Delta x_{j+1}-\Delta x_{j})f_{xxx}+\cdots } から、隣り合う格子の幅Δx j , Δx j + 1 が等しくない場合には、2次精度が維持できない。一般には格子間隔の比は1.5程度以下に抑えることが望ましいと言われている。 境界層 流体解析の場合、物体近傍には境界層が形成され、これを十分に解像することが必要である。層流境界層では境界層厚さ δ 5.0 R e {\displaystyle \delta ~{\frac {5.0}{\sqrt {Re}}}} の1/50以下に最小格子幅を設定する。乱流境界層の場合は、乱流モデルにもよるが、たとえば無次元の壁面からの距離 y+ を用いた目安が利用される。
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