船の通過方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 05:16 UTC 版)
江戸からの船が見沼通船堀を抜ける場合、芝川の通船堀近くの八丁堤に会所が設けられ、そこに船をつけた。江戸から芝川をのぼる時刻は、労力の軽減を図るため江戸湾の潮位が満ちてくる時間に合せられたので一定しなかった。八丁会所についた船は、岸から太い綱で引かれ、一の関へ引き入れられた。船を上流に向かわせるのは自力では困難であったため、見沼通船堀に引き入れるには人力が使われた。1隻につき20人程度の労力が必要であった。 船が一の関に入ると、一の関の角落板がはめ込まれて、関内に水をため水位を二の関が通過できるようになるまで上昇させた。同時に二の関の角落板が外されて、船を二の関の中に引き入れた。船が二の関に入ると、二の関の角落板が入れられ、水位が上がり、見沼代用水へと船を引き入れた。代用水側から江戸へ向かう船は、逆に二の関、一の関の順に角落板を一枚ずつ外して水位を下げて芝川へ向った。 一の関と二の関の中間には舟溜りと呼ばれる場所があり、ここで上りと下りの船の行き違いや、関の開閉や水位の調整のための待機が行われた。 1つの関で水をためるのに40分から50分程度かかり、1艘の船が通船堀を通過するのには、1時間半から2時間程度を要したといわれている。また、江戸から見沼通船堀までは3日程度かかったといわれている。
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