脇田信号場とは? わかりやすく解説

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脇田信号場

(脇田信号所 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/15 06:20 UTC 版)

脇田信号場
南大塚側から(2009年9月)
わきた
Wakita
SS28 南大塚 (2.7 km)
(0.9 km) 本川越 SS29
所在地 埼玉県川越市
所属事業者 西武鉄道
所属路線 新宿線
キロ程 46.6 km(西武新宿起点)
ホーム なし、2線→1線
開業年月日 1969年昭和44年)9月26日
備考 単複境界
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脇田信号場(わきたしんごうじょう)は、埼玉県川越市にある西武鉄道新宿線信号場[1]

歴史

1980年昭和55年)3月12日[2]、西武新宿線南大塚駅本川越駅間のうち南大塚側2.7キロメートル(km)[3]区間の複線化にともない、中間に脇田信号所[注釈 1]が新設された[5]

1981年9月には、本川越駅まで600メートルの光ファイバーケーブルが敷設され、当信号所にモニタカメラが設置された[6]

構造

当信号場より南大塚駅側2.7 kmが複線、本川越駅側0.9 km[3]単線となり、JR東日本川越線東武東上線をガードでくぐる[7]

かつて国鉄川越線が建設された際、西武新宿線・東武東上線を含めた3路線の乗り換え駅をこの付近に設置する陳情が市役所や商工会議所などの連名で鉄道大臣宛に送られたが、当時すでに供用されていた川越西町駅(現在の川越駅)付近の住民から反対運動が起き、実現に至らなかった[8][9]。当信号場の設置自体は新駅設置とは無関係だが、その後も3線が交差する当信号場周辺に統合駅を設置する構想が提唱・提案されている[10][11]

単線区間の複線化

西武鉄道は当信号場 - 本川越駅間0.6 kmの複線化認可[12]を得ている。JR・東武との立体交差部分の関係などから工事が難しいとされ[13][注釈 2]、川越市が地下化による複線化を要望していたのに対して、当初西武鉄道は地上での複線化を前提に検討していた[15][16]

しかし、単線区間に隣接する工場用地を保有していた日清紡が土地貸与に難色を示した[17][注釈 3]ため、2002年には川越市の意向と合わせて立体化を視野に入れるようになった[15]。しかし、2004年時点では旅客減少を理由として主体的な複線化・立体化には消極的な姿勢を示していた[19]。また2005年には同じ埼玉県内の春日部駅連続立体交差事業が始まったため、川越市は同事業の完了後に川越市周辺の連続立体化に着手できるよう県と協議をしている[20]

隣の駅

西武鉄道
新宿線
南大塚駅 (SS28) - (脇田信号場) - 本川越駅 (SS29)

脚注

注釈

  1. ^ この時期の西武鉄道における信号場/信号所の呼称は信号所となっていた[3]。2023年時点では信号場と呼称変更されている[4]が、変更の具体的時期を示す資料は無い。
  2. ^ 本項目の過去の版では、交差部分にある東武東上線の橋脚が埼玉県の近代化遺産に指定されていることが要因とする記述が見られた。しかし埼玉県の近代化遺産報告書は保護すべき文化財の候補を挙げるための事前調査であり[14]、加えて1990年の県議会質疑[13]の時点ではまだ調査は行われていなかった。その後も当該橋脚に対する有形文化財登録は行われていない。
  3. ^ 日清紡は2012年に、当該工場用地をトヨタホームらとともに建売り住宅として販売した[18]

出典

  1. ^ 西武鉄道 2023, p. 16.
  2. ^ 西武鉄道 2023, p. 89.
  3. ^ a b c 若山博「民鉄の窓 第15回 わが社のサービス ―二十一世紀の鉄道を目指して」『交通公論』第150巻、交通公論社、1993年11月、32頁。 
  4. ^ 西武鉄道, p. 16.
  5. ^ 岸副義比古「民鉄の信号・通信設備」『電気鉄道』第34巻第7号、1980年7月、40頁。 
  6. ^ 横山亨「民営鉄道における光通信設備の現状について」『鉄道通信』第35巻第4号、鉄道通信協会、1984年4月、11頁。 
  7. ^ 宮脇俊三、原田勝正 編『鉄道の旅:全線全駅 11(東日本の私鉄)』小学館、1982年4月、84頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12069046/46 
  8. ^ 三線合同現状では困難」『広報川越』(PDF)、第366号、川越市、1974年9月10日、16面。2025年6月15日閲覧。
  9. ^ 川越市史 第4巻 (近代編)」『』川越市総務部市史編纂室、川越市、1978年3月、331面。
  10. ^ 加藤, 瀧二市長再就任のご挨拶」『広報川越』(PDF)、第247号、川越市、1969年9月25日、2面。2025年6月15日閲覧。
  11. ^ 川越市建築設計協会1 (2011年9月). “川越3駅統合に関する提案” (PDF). 2025年6月15日閲覧。
  12. ^ 国土交通省関東運輸局 (2024年3月31日). “線増工事” (PDF). 2025年5月21日閲覧。
  13. ^ a b 平成2年2月定例会. 埼玉県議会. 13 March 1990. (企画財政部長答弁)川越線や東武東上線との交差の関係などで工事が難しい本川越駅付近の区間を除きまして、複線化が完了することになります。
  14. ^ 丹治, 明「埼玉県の近代化を支えた機械技術」(PDF)『公開研究会・講演会技術と社会の関連を巡って:技術史から経営戦略まで:講演論文集』、日本機械学会、2017年、doi:10.1299/jsmetsd.2017.311 
  15. ^ a b 平成16年第4回定例会(第20日・9月21日). 川越市議会. 21 September 2004. (まちづくり部長答弁)脇田信号所から本川越駅間の地下化による複線化の要望をしております。この要望に対する西武鉄道の回答は、平成十三年までは、地下化ではなく地上での複線化を検討する旨の回答でありましたが、平成十四年からは、川越市の都市計画を含めた、西武新宿線の立体化について協議するとの回答をいただいているところでございます。
  16. ^ 平成7年12月定例会. 埼玉県議会. (企画財政部長)脇田信号所~本川越駅間の複線化につきましては、西武鉄道は、従来から地上複線化のための用地買収に取り組んでおります。
  17. ^ 平成17年 地域振興ふれあい拠点施設建設にかかわる川越駅西口周辺整備対策特別委員会 閉会中(第2日・11月8日). 川越市議会. 8 November 2005. (まちづくり部次長答弁)西武鉄道の方が日清紡績へ、複線にするための用地を貸していただきたいという話で訪れたときに、日清紡績の方では、当社の用地は、西武鉄道の複線化を行う用地として今のところ考えられないと言って断ったという経緯を聞いております。
  18. ^ 「川越ココロマチ」、まちびらき記念式典/トヨタホーム、トヨタホーム東京他”. r.e.port. 不動産流通研究所 (2012年4月13日). 2025年6月15日閲覧。
  19. ^ 平成17年 地域振興ふれあい拠点施設建設にかかわる川越駅西口周辺整備対策特別委員会 閉会中(第2日・11月8日). 川越市議会. (まちづくり部長答弁)西武としますと、乗車人口が減少しているという問題が非常に大きな問題として取り上げられていまして、現段階ではこれを複線化または連続立体化をするような考えは持っていないという回答を昨年受けている状況でございます。
  20. ^ 平成17年度決算特別委員会 閉会中(第6日・11月14日)本文. 川越市議会. 14 November 2006. (まちづくり部次長答弁)それから県の方にも、現在春日部の方で連続立体をやっていますけれども、その後に川越市がお願いしたいということで、これは毎年定期的に県とも協議させていただいておるところでございます。

参考文献

  • 西武鉄道株式会社広報部: “会社要覧2023” (PDF) (2023年10月). 2025年5月21日閲覧。

関連項目




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