肱川あらしとは? わかりやすく解説

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ひじかわ‐あらし〔ひぢかは‐〕【×肱川嵐/×肱川あらし】

読み方:ひじかわあらし

愛媛県西部流れ肱川沿って上流大洲(おおず)盆地発生した強風とともに流れ下る現象のこと。10月3月の朝に起こる。冬型の気圧配置がゆるみ、大洲盆地瀬戸内海との気温差が大きく海上上昇気流生じ満潮によって温かい海水が川に流れ込むなどの条件下で発生する。川の両側に山が迫っている地形も重要で、大規模なものは沖合向かって扇形流れ広がる肱川颪(おろし)。


肱川あらし

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/17 14:54 UTC 版)

肱川あらし(ひじかわあらし)とは、初冬の朝、大洲盆地で発生した肱川を下り、白い霧を伴った冷たい強風が河口を吹き抜ける現象。愛媛県大洲市で観察される。50年以上前には肱川おろし(山手からの吹き下ろし)と呼ばれていたが、なぜ名称が変わったのかは分かっていない。

概要

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肱川の周辺

冬型の気圧配置が緩んだ日に、大洲盆地と瀬戸内海伊予灘)の気温差が原因で陸地において地表が放射冷却によって冷え込み、発生した霧が、山脚が河口付近まで川の両岸に迫っている特異な地形をしている肱川下流から、一気に海側に流れ出す現象が生じるといわれている。大規模な時は霧は沖合い数キロに達し、風速は可動橋として知られる長浜大橋付近において15km以上が観測される[1]

年配者を中心に「肱川おろし」とも言われる(こちらが正式名称との見解もある)が、近年は「肱川あらし」の呼称の方が一般的。大洲市広報紙でも「あらし」としている。

長浜大橋と周辺の山々

その他

河口近くの小高い山の上に「肱川あらし展望公園」(北緯33度36分40.4994秒 東経132度29分10.392秒 / 北緯33.611249833度 東経132.48622000度 / 33.611249833; 132.48622000)がある。

肱川あらしが吹いているときには、冷気移流に伴う逆転層が河口に形成されるとした調査例もある[2]

内陸の大洲盆地と肱川河口のあいだで2hPaほどの気圧差が生じると、肱川あらしは10m/sの風速に達することが、長期観測から明らかにされている[3]

脚注

  1. ^ 最近ではNHK総合テレビドキュメンタリー番組ワンダー×ワンダー』(2010年5月22日放送「水七変化!奇跡の絶景」)で「霧の奔流」として紹介された。また、2010年7月17日放送のサイエンスZERO で、「絶景を生む 水の不思議」の中でも取り上げられた。
  2. ^ 重田祥範・大橋唯太・寺尾徹・大澤輝夫「愛媛県大洲市沿岸部で発生する局地風“肱川あらし”の鉛直構造」『天気』61、pp.91-96、2014年
  3. ^ 三浦 悠・大橋 唯太・名越利幸・那須川徳博・寺尾 徹「長期観測でみられた局地風「肱川あらし」の発達とgap地形(地峡部)の水平気圧傾度との関係」”. 『天気』(日本気象学会), 67巻, 4号, pp.225-237(2020). 2023年10月21日閲覧。

関連項目

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