総観スケールの気象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 04:05 UTC 版)
総観スケールの気象は地域により差異があるため一概には言えないが、いくつかの例を挙げる。 日本においてはおもに2つの様式が多い。1つは海に面した平野部で、下層に北寄りの風による寒気の移流、中層に南寄りの風による暖気の移流があって、そこに逆転層が生じる様式、もう1つは内陸の盆地で、弱風下で下層の盆地内に寒気が滞留していて(「冷気湖」という)、中層に南寄りの風による暖気の移流があって、そこに逆転層ができる様式である。天気図で見ると、大局的には日本海と本州南岸の2つの低気圧が並んで東進する「二つ玉低気圧」の時に起こる場合が多い。また着氷性の雨の分布は、低気圧の東側にある温暖前線の寒気側から低気圧の周囲付近にかけての細長い地域となる場合が多い。 アメリカではいくつかの様式がある。前線を伴った低気圧の北側(温暖前線や停滞前線の寒気側)で発生する様式、大陸に張り出す高気圧の辺縁部(寒冷前線の寒気側)で発生する様式、大陸を東進する低気圧と東海岸の高気圧との間で発生する様式、アパラチア山脈による寒気のせき止めにより発生する様式である。
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