網状説とニューロン説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/03 04:03 UTC 版)
神経は、19世紀に発達した組織染色技術を適用しても全く染まらず、その染色に懸賞金がかけられる程であった。神経染色に初めて成功したのはイタリアのカミッロ・ゴルジで、1873年に硝酸銀を利用したゴルジ染色を開発した。スペインのサンティアゴ・ラモン・イ・カハールはこの方法を利用し、1887年にニューロンを発見した。しかしシナプス間隙は光学顕微鏡では観察されない狭さだったために、1906年に二人がノーベル賞を授けられた時点では、神経全てが網目を作って一体性をなすというゴルジの考え(網状説)と、神経は多数のニューロン単位から構成されるというラモン・イ・カハールの考え(ニューロン説)が対立していた(ニューロンという名称を提案したのはドイツのハインリヒ・フォン・ワルダイエルである)。電子顕微鏡によって神経細胞の間にシナプス間隙がみつかり、ニューロン説の正しさが証明されたのは、1955年になってからである。
※この「網状説とニューロン説」の解説は、「神経」の解説の一部です。
「網状説とニューロン説」を含む「神経」の記事については、「神経」の概要を参照ください。
- 網状説とニューロン説のページへのリンク