組み紐の表現による定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 01:06 UTC 版)
「ジョーンズ多項式」の記事における「組み紐の表現による定義」の解説
ジョーンズによるジョーンズ多項式のもともとの定式化は彼の作用素環の研究に由来する。ジョーンズ のアプローチにおいて、それはある代数(統計力学における Potts模型 のようなある種の模型に由来)への組み紐の表現のある種の "トレース" から生じた。 絡み目 L が与えられたとせよ。J.W. アレクサンダーの定理によると、L はある組み紐(n 本の紐を持つとする)のトレース閉包である。n 本の紐を持つ組み紐の群 B n {\displaystyle B_{n}} から、 Z [ A , A − 1 ] {\displaystyle \mathbb {Z} [A,A^{-1}]} を係数とする テンパーリーリーブ代数 TLn への表現 ρ {\displaystyle \rho } を定義しよう。また δ = − A 2 − A − 2 {\displaystyle \delta =-A^{2}-A^{-2}} とする。組み紐の標準的な生成元 σ i {\displaystyle \sigma _{i}} を A e i + A − 1 1 {\displaystyle Ae_{i}+A^{-1}1} に写すとする( 1 , e 1 , … , e n − 1 {\displaystyle 1,e_{1},\dots ,e_{n-1}} はテンパーリーリーブ代数の標準的な生成元)。これが表現になることは簡単に確かめられる。 L から得られる組み紐群の語 σ {\displaystyle \sigma } をとり、 δ n − 1 t r ρ ( σ ) {\displaystyle \delta ^{n-1}tr\rho (\sigma )} を計算する(tr は マルコフトレース)。この量はブラケット多項式 ⟨ L ⟩ {\displaystyle \langle L\rangle } を与える。このことは カウフマンが行ったように、テンパーリーリーブ代数をある図式の代数とみなすことによって得られた。 このアプローチの利点は、他の代数への表現で同じように不変量を考えられることである。実際、量子群の R-行列と線形表現や岩堀–ヘッケ代数の表現を使った数多くの不変量が定義され考察された。
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