終章 いつか彼女を描くまで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/12 21:33 UTC 版)
「彼女の色に届くまで」の記事における「終章 いつか彼女を描くまで」の解説
「流レる」盗難事件の真相は、贋作と真作の入れ替えであった。その顛末を緑画廊の経営者である父親に報告した礼は、父親の指示で確認した「流レる」の贋作の画像データに映るカンヴァスの右下の薄いピンクの汚れに違和感を持つ。それは、石膏か何かを盛り上げた部分に水彩絵具で塗ったような感じのするもので、「流レる」に使われていない色であった。何よりも、この汚れをこの位置で以前にどこかで見たことがあった。そして思い出したのは、高3のときの「金山記念美術館」の「真贋展」で、破損された「エアリアル」と一緒に展示されていた上岡喜三郎の「富子 六月」であった。大薗菊子の協力により「金山記念美術館」に展示されている「富子 六月」を確認すると、カンヴァスの右下に「流レる」と同じ薄いピンクの汚れがあった。それは、贋作師のサイン代わりで、真作と思われていた「富子 六月」は贋作であった。それと同時に礼は、「エアリアル」破損事件の真相の裏に隠されていた真実を知る。
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