細胞周期の調節因子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 15:40 UTC 版)
がん抑制遺伝子の機能、特にp53とRb遺伝子は、幹細胞の静止状態の維持と過剰な細胞分裂による前駆細胞プールの枯渇の防止に必要である。例えば、3つのRbファミリータンパク質のすべてを欠失すると、造血幹細胞は静止状態を脱することが示されている。また、p53が欠損するとこれらの幹細胞は細胞周期を脱出してG0期へ移行することができなくなり、分化が防がれることが示されている。p53とRbに加えて、p21、p27、p57といったサイクリン依存性キナーゼ阻害因子も静止状態の維持に重要である。マウスの造血幹細胞では、p57とp27のノックアウトによってサイクリンD1の核内輸送とRbのリン酸化が行われ、G0期からの脱出が引き起こされる。最後に、Notchシグナリング経路も静止状態の維持に重要な役割を果たすことが示されている。
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