細層
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/04 17:02 UTC 版)
X 上の細層は「1 の分割」を持つ層を言う。より精確には、空間 X の任意の開被覆に対し、その層上の自己準同型の族でそれらの和が恒等変換 1 だが各準同型は与えられた開被覆に属する適当な開集合の外側で 0 となるようなものが必ず存在する。 ふつうはパラコンパクトハウスドルフ空間 X 上でのみ細層を考える。典型例はそのような空間上の実数値連続函数の芽の層や、滑らかな(パラコンパクトハウスドルフ)多様体上の滑らかな写像の芽の層あるいは、これら環の層上の加群などである。また、パラコンパクトハウスドルフ空間上の細層は軟弱かつ非輪状である。 滑らかな多様体上の層の細層による分解はアレクサンダー–スパニエル分解をもちいて求められる 応用として、実多様体 X を考えると、定数層 ℝ の滑らかな微分形式の成す細層による分解: 0 → ℝ → C 0X → C 1X → ⋯ → C dim XX → 0 が存在する。これが分解、すなわち層の完全複体となることはポワンカレの補題による。したがって、X の ℝ に値をとるコホモロジーは、大域的に定義された微分形式の成す複体のコホモロジー Hi(X, ℝ) := Hi(C •X (X)) として計算することができる。
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