第二基本定理の一般化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 13:56 UTC 版)
「微分積分学の基本定理」の記事における「第二基本定理の一般化」の解説
第二基本定理は、原始関数 F {\displaystyle F} を持つ任意のルベーグ積分可能な関数 f {\displaystyle f} について成り立つ。すなわち、 ルベーグ積分可能な関数に対する第二定理の一般化 ― 閉区間 [ a , b ] {\displaystyle [a,b]} 上の実関数 F {\displaystyle F} がすべての x ∈ [ a , b ] {\displaystyle x\in [a,b]} において微分可能であり、 F {\displaystyle F} の導関数 f {\displaystyle f} が [ a , b ] {\displaystyle [a,b]} 上でルベーグ積分可能ならば、 F ( b ) − F ( a ) = ∫ a b f ( t ) d t . {\displaystyle F(b)-F(a)=\int _{a}^{b}f(t)\,dt.} が成り立つ。 この結果は連続関数 F {\displaystyle F} がほとんど至るところで導関数 f {\displaystyle f} を持つ場合には成立するとは限らず、反例としてカントール関数が知られている。しかし F {\displaystyle F} が絶対連続であり、ほとんど至るところで微分可能で、その導関数 f {\displaystyle f} が積分可能ならば、 F ( b ) − F ( a ) = ∫ [ a , b ] f ( x ) d x {\displaystyle F(b)-F(a)=\int _{[a,b]}f(x)\,dx} が成り立つ。逆に、 f {\displaystyle f} を任意の積分可能な関数とすると、 F {\displaystyle F} は至るところで d F d x = f {\displaystyle {\tfrac {dF}{dx}}=f} となる絶対連続な関数となる。 この定理の条件は、積分をヘンストック=クルツヴァイル積分と考えることにより、更に弱められる。特に、連続関数 F {\displaystyle F} が可算無限個の点で微分可能であるなら、導関数 f {\displaystyle f} はヘンストック=クルツヴァイル積分可能であり、 F ( b ) − F ( a ) = ∫ [ a , b ] f ( x ) d x {\displaystyle F(b)-F(a)=\int _{[a,b]}f(x)\,dx} が成り立つ。ルベーグ積分の場合との違いは、 f {\displaystyle f} の積分可能性が要求されていないことである。
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