第九の警察隊長の語った物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 10:08 UTC 版)
「千夜一夜物語のあらすじ」の記事における「第九の警察隊長の語った物語」の解説
第九の警察隊長ジュラル・アル・ディーンは次のように語った。 昔、ある若い夫婦がいたが、子が授からなかったので「たとえ亜麻の匂いで死ぬような子でも良いから子が欲しい」と祈ったところ、女の子が生まれ、シットゥカーンと名付けた。 シットゥカーンが10歳のとき、王子がシットゥカーンに一目ぼれし、ある老婆に手引きを頼んだ。老婆はシットゥカーンに亜麻の紡ぎ方を習うように説得し、シットゥカーンは従ったが、亜麻の切れ端が指に刺さってシットゥカーンは死んでしまった。老婆は両親に亭を建ててシットゥカーンを安置するように説得した。実はシットゥカーンは死んでおらず、王子が刺さった亜麻を抜くと息を吹き返し、その後、二人は毎日亭で逢引した。しかし、大臣が王子を諌めたので、王子は会いに来なくなってしまった。 シットゥカーンは悲しみ、さまよっているとスライマーンの指輪を見つけた。指輪を擦り、大きな宮殿と、もっと美しい顔に変わることを願うと、それは現実になった。王子は宮殿の出現に驚き、そこに住む別の顔になったシットゥカーンに一目ぼれしてしまった。王子は贈り物をして気を引こうとするが相手にされず、シットゥカーンから「結婚したいのなら、死んだと偽って自分の葬儀をし、例の亭に安置されるように」と言われた。王子は従い、死んだものとして亭に安置され、そこでシットゥカーンとともに邪魔されずに幸せに暮らした。
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