第一の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/30 21:21 UTC 版)
「作中で探偵が最終的に提示した解決が、本当に真の解決かどうか作中では証明できないこと」についてである。 つまり“推理小説の中”という閉じられた世界の内側では、どんなに緻密に論理を組み立てたとしても、探偵が唯一の真相を確定することはできない。なぜなら、探偵に与えられた手がかりが完全に揃ったものである、あるいはその中に偽の手がかりが混ざっていないという保証ができない、つまり、「探偵の知らない情報が存在する(かもしれない)ことを探偵は察知できない」からである。 また「偽の手がかり」の問題は、いわゆる「操り(あやつり)」とも結び付く。すなわち、探偵が論理によって「犯人」を突き止めたとしても、その探偵、あるいは名指しされた犯人が、より上位の「犯人」に操られている(上位犯人の想定の中で動いている/動かされている)可能性はつねに存在する。このようにメタ犯人、メタ・メタ犯人、……を想定することで、推理のメタレベルが無限に積み上がっていく(無限階梯化)恐れが生じることがある。
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