積分形のヘルダーの不等式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 14:35 UTC 版)
「ヘルダーの不等式」の記事における「積分形のヘルダーの不等式」の解説
(Ω, μ) を測度空間とし, 1 ≤ p,q ≤ ∞を1/p + 1/q = 1 なる実数とする。(p = 1 の場合には q = ∞ とする。)Ω上の可測関数f, g について、 ‖ f g ‖ L 1 ( Ω , μ ) ≤ ‖ f ‖ L p ( Ω , μ ) ‖ g ‖ L q ( Ω , μ ) . {\displaystyle \|fg\|_{L^{1}(\Omega ,\mu )}\leq \|f\|_{L^{p}(\Omega ,\mu )}\|g\|_{L^{q}(\Omega ,\mu )}.} が成り立つ。これは、左辺が無限大になる場合もこめて成立する不等式であり、とくにfが Lp級、g がLq級関数のときに fg はL1級関数になることを主張している。このようなp と q はそれぞれ互いの共役指数とよばれる。p = q = 2の場合のこの不等式はコーシー・シュワルツの不等式と呼ばれる。 この形でのヘルダーの不等式はヤングの不等式から以下のようにして導くことができる:fとg、とをそれぞれノルム 1 のLp関数とLq関数とし、p とqとを互いに共役な指数とする。ヤングの不等式によって | f g ( x ) | ≤ | f ( x ) | p p + | g ( x ) | q q {\displaystyle |fg(x)|\leq {\frac {|f(x)|^{p}}{p}}+{\frac {|g(x)|^{q}}{q}}} が成り立っており、x に関する積分によって ‖ f g ‖ 1 ≤ ‖ f ‖ p p p + ‖ g ‖ q q q = 1 = ‖ f ‖ p ‖ g ‖ q {\displaystyle \|fg\|_{1}\leq {\frac {\|f\|_{p}^{p}}{p}}+{\frac {\|g\|_{q}^{q}}{q}}=1=\|f\|_{p}\|g\|_{q}} が得られる。一般の関数に対するヘルダーの不等式は、二つの関数を定数倍する操作に対して両辺の項が同じ応答を示すことから、上の場合に帰着できる。
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