稚蚕用糸網 (ちさんよういとあみ)
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蚕網は除沙(蚕座から残沙を取り除く作業)に使用するもので、糸網、縄網、藺網等がある。糸網は綿糸又は麻糸で作り、これに柿渋を塗ったもので1~3齢用、縄網は藁網で編み、藺網は藺草で編んだもので5齢用である。享和時代には、蚕齢に応じて、網目の大きさの異なる糸網が使用されていた。縄網は、天保2年頃に5齢期に用いられ、藺網は明治に入ってから用いられたという記録がある。網目の大きさは、2286の3mm目が1齢用、2287の8~9mm目が2齢用、2289の12mm目が3齢用というように区分されている。網目はこのほかに6mm目、15mm目などのものがある。また、網の大小も蚕座の広狭に合せて種々の大きさのものが作られている。反物を裁断して作るので、その切口の両端には割竹をあて、和紙を貼りつけて網の解けるのを防ぐと共に扱いやすくしている。大正時代から昭和40年頃まで使用された。縦87cm、横44cmである。 |
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