移転地決定まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/23 09:24 UTC 版)
東京都が蟻の街の立ち退きに関する準備を進める中、代替地をなかなか提示しないことにしびれを切らした松居桃楼は、この代替地斡旋の条件による立ち退きを要求して来た東京都の部長のもとに赴き、直談判をした。この時、松居は北原に彼女が愛用しているロザリオをお守り代わりに託されていた。松居は担当部長に北原が託したロザリオと、彼女の著書『アリの町のこどもたち』をその机の上に置き、北原の命をかけた活動、蟻の街が東京都に果たす役割、その経済効果を熱弁した。北原の著書はそのまま部長の机に残してきた。 後日、その担当部長は北原の著書を手に蟻の街を訪問した。彼は応対に出た松居より北原の著作が全て実話だと聞かされ、北原が子供たちの歌声に合わせて伴奏するオルガンの音を耳にし、「今回の換地問題は大変難しい。しかしこの件に関しては、自分は立派な役人であると同時にりっぱな人間でありたい」と回答した。
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