真継久直とは? わかりやすく解説

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真継久直

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/27 20:35 UTC 版)

 
真継久直
時代 戦国時代安土桃山時代
生誕 不明
死没 慶長3年(1598年)6月20日
別名 弥五郎(通称)
官位 従五位下兵庫助伊豆守
幕府 室町幕府
主君 柳原資定
氏族 真継氏
父母 父:真継新九郎、義父:新見忠弘
養子:真継康総
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真継 久直(まつき ひさなお)は、戦国時代から安土桃山時代にかけての地下官人

出自

「真継」の名字の由来は丹波国多気郡の真継保である。真継保は禁裏御料所であった。上京した後は本姓を紀氏であると名乗る京都の町衆となった[1]

真継氏の初見は『東寺執行日記』永享12年(1440年)5月16日条であり、足利義教一色義貫を殺害した際に一色方の真継彦三郎が死亡している。このことから、真継氏は元から朝廷機関に代々奉公していたのではなく、真継の地を足がかりに京都で武家に奉公していた一族であったと考えられる。そして、久直は小野姓を名乗っており、細川京兆家内衆の安富氏の被官に小野氏が存在していることから、真継氏は京兆家あるいは安富氏の被官であった可能性がある[2]

大永6年(1526年)には三条実香が借銭をした際の銭主として真継弥兵衛尉が確認できる[3]

父の真継新九郎は天文3年(1534年)に禁裏六町の住人であったと考えられ、この頃から柳原家甘露寺家、そして再び柳原家の順で奉公していた。そして新九郎は天文年間初期に「六条金仏」の同朋である新見山城守有弘から蔵人所御蔵の役職を横領したとされる[4]

概要

久直は父の新九郎と共に柳原家に仕えていた。

天文8年(1539年)、久直は新見有弘の有していた蔵人所御蔵と鉄公役諸国金屋職の役職を横領したことで、その孫である新見富弘によって訴えられていた。それに対して久直は、天文15年(1546年)に「自分は有弘とその長兄の忠弘(弟は孫三郎)による2通の譲状とそれを安堵した綸旨を所持している」と反論した。有弘は当時失踪していたため久直が譲状を入手したとは考え難く、久直の主張は信憑性は低いものの、その主張に対して綸旨が出されていることから、久直には強力なフィクサーがいたと考えられる。久直は天文年間(1533年1555年)の時点で禁裏六町に住んでおり、その邸宅は有弘が住んでいた蔵人所御蔵の役宅であった。富弘の訴状に対する久直の答状によると、忠弘は大沢氏大沢久守の末裔か)から猶子を取ろうとしており、その頃久直は柳原家因幡国下向に供奉していたという。このことは、新見氏の後継者問題に真継氏が一切関わっていないことの証左である。そして、そのような真継氏が新見氏の後継者問題に関与できた理由について、「過去に有弘が借銭をし、忠弘はその返済に難儀していたが、請人であった新九郎が代わりに返済したから」であるという。このことから、真継氏は有弘が失踪していたことを利用して新見氏から蔵人所御蔵の役職を取り上げたと考えられる[5]

天文18年(1549年)には、同12年(1543年)に後奈良天皇より勅許を得たとして諸国の鋳物師から公事役を徴集する権限を大内氏今川氏など全国の大名に認めるよう働きかけている。ただしこれは偽文書であった[6]

江戸時代末期編纂された『地下家伝』では新見有弘真継久直が実の親子であったとするが、これは久直による役職の横領を正当化するための改竄である[7]

脚注

注釈

出典

  1. ^ 酒匂由紀子『室町・戦国期の土倉と酒屋』(吉川弘文館、2020年)
  2. ^ 酒匂由紀子『室町・戦国期の土倉と酒屋』(吉川弘文館、2020年)
  3. ^ 笹本正治「近世初期における真継家の鋳物師支配―宗弘と真継家―」『名古屋大学文学部研究論集史学 第30号』1-22頁(名古屋大学文学部、1984年)
  4. ^ 酒匂由紀子『室町・戦国期の土倉と酒屋』(吉川弘文館、2020年)
  5. ^ 酒匂由紀子『室町・戦国期の土倉と酒屋』(吉川弘文館、2020年)
  6. ^ 行橋市『行橋市史 中世編』(行橋市、2006年)
  7. ^ 三上景文『地下家伝 第8-13 (日本古典全集 ; 第6期)[1]』(日本古典全集刊行会、1937年)

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