直積を使った拡張(外積)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 07:28 UTC 版)
「クロス積」の記事における「直積を使った拡張(外積)」の解説
クロス積は、直積 a ∘ b = a b T = ( a i b j ) {\displaystyle {\boldsymbol {a}}\circ {\boldsymbol {b}}={\boldsymbol {a}}{\boldsymbol {b}}^{\operatorname {T} }=(a_{i}b_{j})} を使って a × b = a ∘ b − b ∘ a {\displaystyle {\boldsymbol {a}}\times {\boldsymbol {b}}={\boldsymbol {a}}\circ {\boldsymbol {b}}-{\boldsymbol {b}}\circ {\boldsymbol {a}}} (*) と定義できる。ただしここで、反対称テンソルと擬ベクトルを等価 ( x , y , z ) = ( 0 z − y − z 0 x y − x 0 ) {\displaystyle (x,y,z)={\begin{pmatrix}0&z&-y\\-z&0&x\\y&-x&0\end{pmatrix}}} としたが、これをホッジ作用素で写像として明示すると a × b = ∗ ( a ∘ b − b ∘ a ) {\displaystyle {\boldsymbol {a}}\times {\boldsymbol {b}}=*({\boldsymbol {a}}\circ {\boldsymbol {b}}-{\boldsymbol {b}}\circ {\boldsymbol {a}})} と書ける。 (*)式はそのまま、一般次元での定義に使える。ただし、これで定義できる積は、クロス積ではなく外積と呼び、 a ∧ b = a ∘ b − b ∘ a {\displaystyle {\boldsymbol {a}}\wedge {\boldsymbol {b}}={\boldsymbol {a}}\circ {\boldsymbol {b}}-{\boldsymbol {b}}\circ {\boldsymbol {a}}} で表す。外積は3次元ではクロス積に一致するが、同義語ではないので注意が必要である。 外積は2階の反対称テンソルであり、これはホッジ作用素により、n 次元では n - 2 階の擬テンソルに写像できる。つまり、2次元では擬スカラー(0階の擬テンソル)、3次元では擬ベクトル(1階の擬テンソル)に写像できるが、4次元以上ではテンソルとして扱うしかない。 外積(ドイツ語でäußeres Produkt)は、グラスマンによって導入されたが、当時はそれほど注目されず、彼の死後に高く評価された。
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