白化の機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 18:34 UTC 版)
本亜種の毛色は、前述のとおり夏季は褐色、冬季は白色であるが、これまでの研究により、白化は日照時間が短くなることに起因していると考えられる。そして白化の進行速度は生息地の気温や積雪などの気象条件の影響を受ける。夏毛への換毛は日照時間が長くなることと気温が高くなることが相互に影響し合って始まる。しかし白化の機構は単純なものではなく、本亜種を冬の日照時間が短く冷涼な気候の高緯度に位置する北海道(札幌は北緯43度)から日照時間が長く温暖な低緯度の東京(北緯35度)に移送して飼育した例では6年連続して白化した。ノルウェーから温暖な島に移送されたユキウサギ他亜種の例では、移送後数年間は白化したが、世代交代を経て40年経過後にはほとんどのユキウサギが白化しなかった。白化の機構の全容はまだ明らかになっていない。巣を作らない本亜種は根雪に穴を掘って身を隠すことはあるが、天敵から身を隠すのに必要である安定した安全な場所(巣)を持たないため、積雪期に白化する機構を持つようになったと推考できる(→白化した本亜種の写真)。
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