王梵志
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王 梵志(おう ぼんし、生没年不詳)は、中国唐代初年[1]の仏教詩人・詩僧。衛州黎陽県の人。およそ8世紀後半にその作品は日本に伝わっていった。
行跡
その伝歴は不明であるが、俗語を用いて仏理を交えた平易な教訓詩を多数遺した、とされる。古くより、伝説的な要素が強く、仏理に達した人であると考えられていた。その詩は、仏教の因果応報や諸行無常の教理を、現実の生活に即して説いたものであり、その作者像として想定されるのは、街巷や山郷などを遊方して回り、説教した遊化僧のそれである。
詩集は、9世紀までには日本に伝来しており、『日本国見在書目録』にも著録されているが、宋代には散佚していた。20世紀初に発見された敦煌文献中に、それが含まれていた。その内容は、寒山・拾得の詩と共通点を持つ。
校本
参考文献
- 入矢義高「王梵志について」(『中国文学報』3・4、1956年)
- 入矢義高「王梵志詩集攷」(『神田博士還暦記念書誌学論集』、1957年)
- 遊佐昇「「王梵志詩」のもつ両側面」(『大正大学大学院研究論集』2、1978年)
- 遊佐昇「敦煌文献にあらわれた童蒙庶民教育倫理:王梵志詩・太公家教等を中心として」(『大正大学大学院研究論集』4、1980年)
- 蔵中進「中国における王梵志、日本における王梵志」(『新世紀の日中文学関係:その回顧と展望』、2003年)
- ^ 《太平廣記》卷八十二《王梵志》載:「王梵志,衛州黎陽人也。黎陽城東十五里,有王德祖,当隋文帝時,家有林檎樹,生癭大如斗,經三年朽爛,德祖見之,乃剖其皮,遂見一孩児抱胎,而德祖收養之。」
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