獲得形質遺伝の支持とパンゲン説の提唱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 16:56 UTC 版)
「チャールズ・ダーウィン」の記事における「獲得形質遺伝の支持とパンゲン説の提唱」の解説
遺伝についてはパンゲン説(パンゲネシス)という説を唱えて説明した。これは「ジェミュール」(en:Gemmules)という微小な粒子が体内を巡り、各器官で獲得した情報を蓄え、生殖細胞に集まり、特徴・形質が子に受け継がれ、子の体において各器官に分散することで親の特徴を伝える、という説である。ダーウィンは、ラマルクと同じように獲得形質の遺伝を支持していたのである。 メンデルの遺伝の法則は当時まだ知られていなかった。当時は遺伝物質の融合説(遺伝を伝える物質があったとしても、それは子ができる過程で完全に融合する)が広く知られていたが、ダーウィンはメンデルが行った実験と同じように、スイートピーの交雑実験で形質が必ずしも融合するわけではないとつき止めていた。しかしフリーミング・ジェンキンが行った変異は融合するから集団中に維持されないという批判に上手く応えることができず生涯ダーウィンを悩ませた。また変異がどのように誕生するのかを説明することもできなかった。ダーウィンは当時の多くの科学者と同じく進化と発生を区別しておらず、食物や発生中の刺激によって新たな変異が生まれると考えた。この問題は後に突然変異が発見されるまで解決されなかった。 ダーウィンに影響を与えた遺伝学者としてはフランスのプロスパー・ルーカスがいる。
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