片岡宏誌とは? わかりやすく解説

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片岡宏誌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/09 14:14 UTC 版)

片岡 宏誌
生誕 (1958-10-04) 1958年10月4日(66歳)
日本 岡山県吉備郡真備町岡田(現・倉敷市
居住 日本
国籍 日本
研究分野 昆虫内分泌発育
研究機関 東京大学
出身校 東京大学
主な業績 昆虫の内分泌学、ペプチドホルモンの同定
主な受賞歴 日本農学賞/読売農学賞(2024年)
プロジェクト:人物伝
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片岡 宏誌(かたおか ひろし、1958年10月4日 - )は、日本生命科学者環境活動家東京大学名誉教授[1]。専門は昆虫内分泌学

概要

岡山県吉備郡真備町(現・倉敷市)出身[2]。実家は2018年の豪雨の被害を受けた[3]

実験者として、前胸腺刺激ホルモンProthoracicotropic hormone: PTTH)[4]アラタ体刺激ホルモン、アラタ体抑制ホルモン、羽化ホルモン、利尿ホルモンなどの昆虫ペプチドホルモンアミノ酸配列を日米で決定した。PTTHは2006年の鈴木昭憲講書始でも取り上げられた[5]。東京大学の教員としては、脱皮ホルモンであるエクジステロイドを産生する前胸腺[6]や、発育を制御する昆虫ホルモン[7]に関する研究などを農業生物資源研究所[8]筑波大学[9]などと共に実施した。

永田晋治(現東京大学教授)による成果[10]を目玉として2003年度まで受領していた大型研究費[11][12][13][14]は、当時学振SPDの研究員だった丹羽隆介(現筑波大学教授)の尽力もあり[15]、最終的に目的どおりの成果を挙げたと評価された[16]。また、この研究費によって作られた研究環境は当時准教授だった東原和成(現東京大学教授)の研究の立ち上げに寄与した[17][18]。この大型研究費を受領中に指導した山中直岐(現カリフォルニア大学リバーサイド校教授)は、後に日本学士院学術奨励賞を受賞した[19]

定年退職後の2024年10月、小学校の同級生と共に、故郷の岡山県倉敷市において、子供が昆虫採集をできる環境を維持することを目的とした「まび蝶復活プロジェクト」を立ち上げた。プロジェクトは12月に倉敷のニュース番組でも紹介された[20]

2025年1月15日、元安芸高田市長の石丸伸二は、任期満了に伴う東京都議会議員選挙に向けて地域政党「再生の道」を立ち上げ、公募で候補者を募ると発表した[21]。片岡はこれに応募し合格[22]。再生の道は足立区選挙区(定数6)に片岡と中小企業診断士の恵良康寛の2人を擁立した[23][24]。体調の問題もありWeb以外での選挙活動は個人演説会を中心とした。6月22日投開票。恵良は候補者11人中8位で落選、片岡は10位で落選した[25]。なお、再生の道は東京都議会議員選挙に擁立した42人全員が落選した[26]

略歴

受賞歴

  • 1990年 農芸化学奨励賞[27]
  • 2024年 日本農学賞(読売農学賞)[2][28]

出典

  1. ^ 令和6年度名誉教授の称号授与”. 東京大学. 2025年7月5日閲覧。
  2. ^ a b 倉敷出身 片岡さんに日本農学賞 元東大教授、昆虫の成育 謎に迫る:山陽新聞デジタル|さんデジ”. 山陽新聞デジタル|さんデジ. 2024年7月24日閲覧。
  3. ^ 再生の道公認候補予定者シリーズ「郷里」”. 片岡宏誌のホームページ (2025年6月21日). 2025年6月24日閲覧。
  4. ^ 『かつて絵描きだった』石崎 宏矩”. サイエンティスト・ライブラリー | JT生命誌研究館. 2025年7月5日閲覧。
  5. ^ 講書始 - 宮内庁”. www.kunaicho.go.jp. 2025年7月5日閲覧。
  6. ^ 丹羽隆介 著、園部治之、長澤寛道 編『脱皮と変態の生物学: 昆虫と甲殻類のホルモン作用の謎を追う』東海大学、2011年5月1日、55-76頁https://ndlsearch.ndl.go.jp/en/books/R100000002-I000011187060 
  7. ^ 竹井祥郎、溝口明『多様性の内分泌学: ホルモンの統合的理解のために』丸善出版、2021年11月1日https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/b304313.html 
  8. ^ 農業生物資源研究所 - プレスリリース - 昆虫の脱皮に新たなメカニズムを発見 -”. www.naro.affrc.go.jp. 2025年7月5日閲覧。
  9. ^ サイエンス誌に載った日本人研究者2012”. アスカコーポレーション. p. 55. 2024年7月25日閲覧。
  10. ^ “A Novel Type of Receptor cDNA from the Prothoracic Glands of the Silkworm, Bombyx mori” (英語). Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 70 (2): 554–558. (2006-01). doi:10.1271/bbb.70.554. ISSN 0916-8451. https://academic.oup.com/bbb/article/70/2/554-558/5953861. 
  11. ^ 変態・休眠を支配するホルモン分子の動態と環境応答”. KAKEN. 2024年7月28日閲覧。
  12. ^ 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 昆虫の変態・休眠の分子機構 課題番号: 08276103 平成8-11年度 研究成果報告書”. 名古屋大学. pp. 15-19. 2024年7月28日閲覧。
  13. ^ 平成 11 年度開始未来開拓学術研究推進事業研究プロジェクト 生命科学領域「昆虫特異機能の発現機構と開発」研究推進委員会 昆虫の個体及び社会性発達の制御機構解明とその利用”. 日本学術振興会. 2024年7月24日閲覧。
  14. ^ 昆虫の個体及び社会性発達の制御機構解明とその利用 研究プロジェクト成果概要”. 日本学術振興会. 2024年7月24日閲覧。
  15. ^ 発育段階の制御における前胸腺刺激ホルモン受容体の機能解析”. KAKEN. 2025年7月5日閲覧。
  16. ^ 未来開拓学術研究推進事業 - Research for the Future Program - (平成11年度開始分) 「最終評価」報告書概要”. 日本学術振興会. 2025年7月5日閲覧。
  17. ^ 東原和成「生物がにおいを識別する仕組み(謝辞の欄)」『化学と生物』第41巻第3号、2003年、150–156頁、doi:10.1271/kagakutoseibutsu1962.41.150ISSN 0453-073X 
  18. ^ とことん論理的に考え、魂を注ぎこんだときにブレークスルーが生まれる”. Nature ダイジェスト (2005年12月). 2024年7月26日閲覧。
  19. ^ 日本学士院学術奨励賞の受賞者決定について | 日本学士院”. www.japan-acad.go.jp. 2024年8月1日閲覧。
  20. ^ 思い出とロマン抱き まび蝶復活プロジェクト(KCTニュース)”. 株式会社倉敷ケーブルテレビ (2024年12月12日). 2025年6月24日閲覧。
  21. ^ 石丸伸二氏 都議選へ向け 地域政党「再生の道」立ち上げ”. NHK (2025年1月15日). 2025年6月24日閲覧。
  22. ^ 再生の道|東京都 都議会議員選挙 候補者エントリー” (英語). entry.ishimaru-shinji.com. 2025年6月24日閲覧。
  23. ^ 片岡ひろし(再生の道公式サイト)
  24. ^ 「再生の道」が東京都議選で新人9人を追加公認:東京新聞デジタル”. 東京新聞デジタル. 2025年6月24日閲覧。
  25. ^ 片岡宏誌 都議選2025(再生 足立区)東京都議会議員選挙”. 読売新聞. 2025年6月23日閲覧。
  26. ^ なぜ「再生の道」は0議席だったか…石丸語録から読み解く”. 日本テレビ. 2025年7月5日閲覧。
  27. ^ 片岡, 宏誌 (1990). “昆虫の脱皮,変態に関与する神経ペプチド類の単離,構造解析”. 日本農芸化学会誌 64 (10): 1589–1595. doi:10.1271/nogeikagaku1924.64.1589. https://www.jstage.jst.go.jp/article/nogeikagaku1924/64/10/64_10_1589/_article/-char/ja. 
  28. ^ 第61回 読売農学賞 受賞7人の業績”. 読売新聞オンライン (2024年3月31日). 2024年7月24日閲覧。

関連項目




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