燕三条LSA共同開発プロジェクトとは? わかりやすく解説

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燕三条LSA共同開発プロジェクト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/03 20:23 UTC 版)

燕三条LSA共同開発プロジェクト(つばめさんじょうLSAきょうどうかいはつプロジェクト)は、新潟県燕三条地域の企業群によって進められている軽量スポーツ航空機(LSA)の開発事業。

概要

吉田宗玄を社長とする[1][2][3]ATRヤマトが、2007年平成19年)の設立以来単独で進めてきたLSAの研究開発を前身として[3][4][5]、燕三条地場産業振興センター内の「航空機産業参入研究会」の分科会とする形で、2012年(平成24年)春にプロジェクトが開始された[5]。開発にはATRヤマトを中心に、ツバメックス、小林製作所、戸塚金属工業、ミッド、ミノルプレス工業所の計6社が参加している[5]。また、空力設計には富士重工業川崎重工業新明和工業のOBが外部協力エンジニアとして携わっている[2]

2008年(平成20年)3月21日には紙製のLSAの原寸大モックアップが公開され[5]、2012年[1][5]11月12日には[5]中之島県央ラジコンクラブの協力のもと、信濃川河川敷の[6]中之島ラジコンスポーツ広場にて[5]1/3スケールのLSAの無線操縦実験機が初飛行した[1][5][6]。その後は、無線操縦実験機の試験飛行に加えてLSAの試作1号機の製作が開始され[5]2013年(平成25年)6月には詳細設計に着手[3]2015年(平成27年)度までにメインフレーム、主翼および尾翼、ランディングギアの製作と組立などが完了しているが[7]2016年(平成28年)を予定していた試作機の初飛行[4]は遅れ、2024年令和6年)の時点でもATRヤマトにて製作途中の段階にある[1]。なお、2015年には「燕三条ものづくりメッセ2015」で[4][5]2017年(平成29年)にはATRヤマトの社屋前で製作途中の試作機が展示されている[5]

プロジェクトで開発されているLSAは、日本におけるLSA関連の法整備の遅れもあって[1]、北米市場を主なターゲットと見据えている[4][5][7]。日本国内で飛行させる場合は「試験飛行」のみが可能とされる[5]アルミニウムを機体材質とし[5]エッチ・ケー・エス製の小型エンジンを使用した純国産機であり、東京 - 大阪間を飛行できる程度の航続力を持つ[2]。市販の際にはキットプレーンとして販売され、価格は80,000ドル以下を予定している[5]

LSAの諸元

出典:「LSA開発」、「株式会社ATRヤマト」

  • 全長:約6 m
  • 翼幅:約8.3 m
  • 全高:約2.4 m
  • 乾燥重量:約250 kg
  • エンジン:HKS 700E英語版 空冷水平対向2気筒[8](排気量約700 cc)× 1
  • 最大速度:145 km/hr
  • 巡航速度:130 km/hr
  • 乗員:2名

脚注

  1. ^ a b c d e 「まずは試作1号機! 「空を飛ぶこと自体が人類の夢」ものづくりのまちから世界へ 新ジャンルの飛行機で“羽ばたく”夢」
  2. ^ a b c 「株式会社ATRヤマト」
  3. ^ a b c 「吉田 宗玄」
  4. ^ a b c d 「小型航空機に燕三条から世界への夢を乗せて」
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 「LSA開発」
  6. ^ a b 「新潟・燕参上の小型飛行機LSA・・・ラジコン実験機初飛行!」
  7. ^ a b 「助成制度(開発補助金)の成果品【2015年度事業】」
  8. ^ ライトスポーツエアクラフトエンジン事業”. エッチ・ケー・エス. 2024年5月28日閲覧。

参考文献

関連項目





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