海外におけるイマーシブシアター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 02:52 UTC 版)
「イマーシブシアター」の記事における「海外におけるイマーシブシアター」の解説
現代のイマーシブシアターのパイオニアは、2000年にフェリックス・バレット(英語版)によってロンドンで設立されたカンパニー、「パンチドランク」であると言われる。同年の初演作品は、ゲオルク・ビューヒナーの『ヴォイツェック』を、廃墟となった兵舎を舞台にして、様々なジャンルを融合させながら翻案したものだった。観客は専用のマスクをつけて自分のペースで自由に作品を体験し、各所を探索することを促された。 パンチドランクはその後も『赤死病の仮面』『桜の園』『ファウスト』といった古典演劇の作品を下敷きにして、観客は受動的な存在だという従来の演劇における想定を覆すような演出手法で作品を作り上げていった。こうした独特の演出がロンドンで話題になり、「イマーシブシアター」という名称で英米を中心に広がっていった。 中でも『マクベス』を下敷きにした作品『Sleep No More』は、イマーシブシアター作品の金字塔とされ、後の作品にも大きな影響を与えた。同作は2003年にロンドンで初演された後、ニューヨークのオフ・ブロードウェイで初上演され反響を呼ぶと、2011年にはマンハッタン・チェルシーにあった廃墟のマッキトリックホテルを『Sleep No More』専用劇場として改装し、常設型イマーシブシアターとしてロングラン上演されることになる。なお同作は2011年にドラマ・デスク・アワードのユニーク・シアトリカル・エクスペリエンス賞(Unique Theatrical Experience)を受賞している。 この他にも、2000年代以降主に欧米で多くのカンパニーがイマーシブシアターを標榜した公演を行っている。
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