活動的生活とは? わかりやすく解説

活動的生活

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 03:14 UTC 版)

ハンナ・アーレント」の記事における「活動的生活」の解説

アーレントは、人間の生活を「観照的生活」(vita contemplativa)と「活動的生活」(vita activa)の二つ分ける。 観照的生活とは、プラトン主張するような永遠の真理探究する哲学者の生活である。 活動的生活とは、あらゆる人間活動力合わせたのである。活動的生活は主として活動(action/Handeln)、仕事(work/Herstellen)、労働(labor/Arbeiten)の三つ分けることができる。「活動」は、人間が関係の網の目の中で行う行為であり、平等かつお互いに差異のある人間たちの間にのみ存在しうる個々人自発的に活動」を開始し、その行為結果として自身何者(who)であるかを暴露する。それはちょうギリシアにおけるダイモーン守護霊)のように、自身には決し明らかにならない他者には明白ななんらかの徴である。 「仕事」は、職人的な制作活動象徴される目的手段行為をさす。ある特定の目的達成めざして行われる行為アーレントにとって「仕事であった。「活動」はその結果として語り継がれる物語以外の何物をも残さないが、「仕事」はその達成され目的の証としての最終生産物を残す。最終生産物産出示される仕事」の確実性古来より高く評価されており、それ故ギリシア人は本来「活動そのものであった政治を「仕事」によって行われるよう置き換えることを試みた、とアーレント指摘している。 「労働」は人間メタボリズム(?)を反映した行為であり、生存繁殖という生物的目的のため、産出消費というリズムにしたがって行われる循環的行為である。「活動」や「仕事」と異なり人間生存に伴う自然的な必要を満たすために「労働」を強いられるそれゆえ古来より労働苦役であり続けたが、アーレントによればマルクスによって人間が行うもっとも生産的な行為として位置づけられた。

※この「活動的生活」の解説は、「ハンナ・アーレント」の解説の一部です。
「活動的生活」を含む「ハンナ・アーレント」の記事については、「ハンナ・アーレント」の概要を参照ください。

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