毒とスパニエル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/27 05:46 UTC 版)
「サセックスの吸血鬼」の記事における「毒とスパニエル」の解説
ホームズが言及している女王(クイーン)とは、第8回十字軍の際に夫の傷口から毒を吸いだしたという逸話を持つ、エドワード1世の王妃エリナー・オブ・カスティルのことである。ただしこの逸話は、アルフレッド・S・E・アッカーマンの『通俗的誤謬』によれば史実ではない。その起源はスペインにあるという。 ジョージ・B・コーエル博士によれば、クラーレの毒は経口ではほとんど吸収されない。そのため、赤ん坊から毒を吸いだした妻が影響を受ける危険はなかった。また、クラーレの影響は致死量に達しなかった場合1日で消えてしまうので、スパニエルの後ろ足の麻痺については、別の原因があると考えられている。コーエル博士と薬物学協会会員のF・A・アレンは、その原因を矢で刺されたことによる外傷性のものや、坐骨神経への二次的伝染によるものなどと推測している。 作中、このスパニエルについて、「尻尾を床に引きずっている」という描写があり、スパニエルは断尾をするはずなのでおかしいという指摘がある。日本のシャーロキアン遠藤東樹は、犬好きの者ならこのスパニエルがアイリッシュ・ウォーター・スパニエルのことだと、すぐに分かるとしている。
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