歴史的仮名遣いにおける撥音
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 08:47 UTC 版)
「仮名遣い」の記事における「歴史的仮名遣いにおける撥音」の解説
字音仮名遣いにおいて契沖は n韻尾を「ン」、m韻尾を「ム」と区別した。しかし本居宣長はこれを区別せず、一律に「ム」とした。これはいろは47文字の中に「ん」がはいっていないためだと考えられる。この点は太田全斎『漢呉音図』(1815序)で訂正された。 しかし n と m の区別は漢字音のみならず、和語の撥音便にも生じることであり、延喜・天暦以前は表記上も区別があった。例えば「ツミテ」からの音便形は「ツムテ」と表記され、「ナリヌ」からの音便形は「ナンヌ」または「ナヌ」と表記された。 歴史的仮名遣いが「古例」に基づくのであれば、これらを書き分けるのが筋であるとの考えがある。しかしこの区別も歴史的仮名遣いには採用されなかった。
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