歴史民族学(伝播主義)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/06 05:35 UTC 版)
進化主義への反動として現れたのが、20世紀前半にドイツやオーストリア、アメリカ合衆国でさかんになった歴史民族学であった。 そこでは、個別の文化事象が歴史的に形成されてきたことを強調し、個々の文化要素や文化複合の地理的分布のもつ意味について追究がなされた。 文化の歴史を、文化の伝播の見地から考察する論者が多く、その場合は伝播主義ともいわれる。 伝播主義は、文化要素の分布を手がかりとして、より着実な文化史再構成を目指したものであり、その立場には文化圏説のレオ・フロベニウス(Leo Frobenius)、グレープナー(F.Graebner)、シュミット(W.Schmidt)などがいる。アメリカ歴史学派のなかでは、とくにクローバー(A.L.Kroeber)とウィッスラー(C.Wissler)が伝播主義的傾向を有していた。 第二次大戦後、文化伝播論あるいは伝播主義的立場は、文化圏体系の維持が困難となったこともあり、衰退した。また1980年代までの考古学では、土着の文化の発展を重視する見方が強まっていた。
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