欧米におけるグランドホテル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 08:28 UTC 版)
「グランドホテル」の記事における「欧米におけるグランドホテル」の解説
ヨーロッパにおいては古くから社交界が発達していた。社交界でのパーティーに出席する貴族階級が集まり、夜を明かす場として、荘厳な建築物がいくつも建設された。やがてそれらの建物は「グランドホテル」として、各国の王室をはじめ、貴族階級が宿泊するための施設となっていった。また、アメリカ合衆国にもこうしたヨーロッパ式のグランドホテルが持ちこまれた。そのいくつかは現在でも残っており、たいていは国の最高級ホテルとして国賓も宿泊する施設になっている。 その性質ゆえ、グランドホテルは政治的に利用されることもあった。1870年に建てられたオーストリアの首都ウィーンのグランドホテルは、1945年から1955年までソビエト連邦軍の駐留施設として使われた。テロリストの攻撃対象となることもあった。1984年にはIRA暫定派がイングランド南東部、ブライトンのグランドホテルで時限爆弾を用いたテロを行なった。また、歴史的に重要な会議が開かれることもあった。1944年には、アメリカ合衆国ニューハンプシャー州北部のリゾート地ブレトン・ウッズに立地するグランドホテル、マウント・ワシントン・ホテルで連合国通貨金融会議が開かれ、ブレトン・ウッズ協定が締結された。 しかし20世紀後半に入ると旅行が大衆化し、安いチェーン系ホテルやモーテルが幅を利かせるようになった。その流れの中で、廃業に追い込まれたグランドホテルも少なくない。
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