機械焼酎(きかいしょうちゅう)
わが国に伝えられた焼酎の蒸留機は、大鍋(なべ)にアルコール発酵の終わった醪(もろみ)を入れ、薪(まき)をたいて加熱しながら、冷却用甑(こしき)をかぶせて蒸留する仕組みになっていたが、明治の末、長崎県大村の酒造家上野弥助は在来の蒸留機を改良し、薪をたくかわりにボイラーの蒸気を醪に吹き込んで加熱するようにした。この新しい蒸留機でつくった焼酎を、当時の人は機械焼酎と呼んだ。また、ボイラーのないところでは従来の兜釜(かぶとがま)で湯を沸かし、この蒸気を醪へ吹き込んだ。機械焼酎は在来の方法では蒸散してしまった煙臭が焼酎にとり込まれたため不評であったが、この蒸留機により現在の蒸留機の原型が生まれ、煙臭問題も昭和一七年ころの改良でほぼ解決された。
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