橋梁談合事件とは? わかりやすく解説

橋梁談合事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/03 10:04 UTC 版)

橋梁談合事件(きょうりょうだんごうじけん)とは、2005年に発覚した鋼鉄製橋梁の建設工事(公共工事)の受注に絡んで、橋梁メーカーが談合を行っていたとされる、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)違反容疑の事件である。

なお、2006年宮崎県発注の橋梁工事で宮崎県官製談合事件が発覚しているが、本項とは別件である。

概要

2003年、2004年の国発注の鋼鉄製橋梁工事においてK会、A会という2つの談合組織に属する47社は入札談合(受注調整)を行い、実績などを元に受注業者、入札価格をあらかじめ決め、受注予定者が受注できるようにし[1]、競争を実質的に制限した独占禁止法違反の容疑で、談合組織の幹事会社の関係者が逮捕された。

これらの談合を行っていた背景として、鋼鉄製橋梁の市場規模の縮小傾向があったとされている。摘発当時で年間約3500億円、受注高は約48万トンの市場規模があったが、近年では公共工事が減少し、橋梁の分野においてもPC(プレストレストコンクリート)橋の市場拡大により、企業の経営環境が厳しくなり、談合での高値受注により、企業の共存共栄を図った。

なお談合組織に属する47社は、国土交通省地方整備局が、2000年度から2004年度に発注した工事の約8割(工事金額では約9割)を受注、橋梁メーカーの大多数が談合に荷担し、アウトサイダーと呼称する企業に対しては、安値落札の排除を行っていた[2]

刑事裁判では、日本道路公団の副総裁や理事を始めとして、12人に有罪判決が確定し、法人23社に対して罰金合計額は、約64億にのぼった。

談合組織

談合組織は、元総会屋により恐喝を受けるなどしたため、1991年に一旦解散の後、再結成したと言われている。なお社名は摘発当時のものであり、現存する会社でも分社化により、橋梁事業を行っていない会社も存在する。

経緯

脚注

  1. ^ “橋梁談合、西日本は別の2組織 47社が全国で調整”. 朝日新聞. (2005年5月25日). https://web.archive.org/web/20050527010941/http://www.asahi.com/national/update/0525/TKY200505250274.html 2005年5月27日閲覧。 
  2. ^ “談合組織のメンバーが9割受注 国交省発注の橋梁工事”. 朝日新聞. (2005年5月23日). https://web.archive.org/web/20050525010624/http://www.asahi.com/national/update/0523/TKY200505230305.html 2005年5月25日閲覧。 
  3. ^ “橋梁談合、横河ブリッジ部長が主導 一斉捜査きょう着手”. 朝日新聞. (2005年5月22日). https://web.archive.org/web/20050525011143/http://www.asahi.com/national/update/0523/TKY200505220203.html 2005年5月25日閲覧。 
  4. ^ “橋梁談合、営業担当14人を逮捕 独禁法違反容疑”. 朝日新聞. (2005年5月26日). https://web.archive.org/web/20050527063209/http://www.asahi.com/national/update/0526/TKY200505260182.html 2005年5月27日閲覧。 
  5. ^ “横河ブリッジ理事、談合組織の存続図る 他社に運営依頼”. 朝日新聞. (2005年6月15日). https://web.archive.org/web/20050618015125/http://www.asahi.com/national/update/0616/TKY200506150351.html 2005年6月18日閲覧。 
  6. ^ “橋梁談合で道路公団など家宅捜索 公取が3社を刑事告発”. 朝日新聞. (2005年6月29日). https://web.archive.org/web/20050630235713/http://www.asahi.com/national/update/0629/TKY200506290084.html 2005年6月30日閲覧。 
  7. ^ “橋梁談合で公団元理事ら5人逮捕 独禁法違反の疑い”. 朝日新聞. (2005年7月12日). https://web.archive.org/web/20050713234223/http://www.asahi.com/national/update/0712/TKY200507120218.html 2005年7月13日閲覧。 
  8. ^ “道路公団の⚪︎⚪︎副総裁を逮捕 橋梁談合事件で東京地検”. 朝日新聞. (2005年7月25日). https://web.archive.org/web/20050726233941/http://www.asahi.com/national/update/0725/TKY200507250376.html 2005年7月26日閲覧。 

関連項目


橋梁談合事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/13 09:48 UTC 版)

コミヤマ工業」の記事における「橋梁談合事件」の解説

しかし翌2005年発覚した橋梁談合事件において当社関与していたとし、公正取引委員会から独占禁止法違反により排除命令受けた他者受け入れる中同社命令拒否し係争の手出たが、2006年7月同意し地方整備局および山梨県から3ヶ月から5ヶ月間の指名停止および22日間の営業停止命令受けた

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