標本調査における無作為抽出と有意抽出の比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 07:38 UTC 版)
「無作為抽出」の記事における「標本調査における無作為抽出と有意抽出の比較」の解説
標本調査における標本抽出の方法としては、「無作為抽出」の他に「有意抽出」がある。母集団を代表する標本を無作為に抽出したものを「無作為抽出」と呼ぶのに対して、母集団を代表する標本を有意に抽出したものを「有意抽出」と呼ぶ。 標本調査は全数調査とのズレ(誤差)が発生することが必ず避けられないが、無作為抽出法を用いた標本調査において発生する誤差(標本誤差)の範囲が確率論に基づいて統計学的に計算できるのに対し、有意抽出法を用いた標本調査において発生する誤差の範囲は確率論的に計算することが出来ず、不明となる。 インターネットのモニターによる市場調査(モニター調査)を例にすると、インターネットによる自発記入のアンケートを用いて標本を集めるので、非常に手軽にできるというメリットがある反面、1)インターネットを利用できる環境にある人、2)アンケートに関心を示した人、のようにサンプル自体に偏りが生じる。サンプル自体に偏りがあるため、このモニター調査の結果が全数調査の結果(真の値)とどの程度ずれているかの範囲は、統計学的に算出することが出来ず、客観的に信頼性が置けるデータがゲットできない、と言うのがデメリットである。 このため、例えば世論調査など客観的な信頼性が重視される統計調査では、いくら手軽にできても有意抽出法は使われず、面倒な手順を踏んでも必ず無作為抽出法が使われる。
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