概要・テクスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 08:31 UTC 版)
元末ごろの南戯は雑劇を原作としていることが多いが、本作品も関漢卿の雑劇「拝月亭」を原作としている。元代末期には南戯に改編され、『永楽大典』に『王瑞蘭閨怨拝月亭』の外題のみ見える。これがさらに改編されて『拝月亭記』または『幽閨記』の題で知られる40齣の作品になった。 作者は施恵と伝えられるが、はっきりしない。『録鬼簿』によると杭州の人とされるが、『拝月亭』について『録鬼簿』は何も記しておらず、施恵を作者とする根拠がないともいう。 田仲一成によると、明初期に郷村劇としての素朴なテクスト(古本)が作られたが、完全な形で残るものはない。明中期に宗族社会での上演に適するように冗漫な白を削って歌詞を優雅に改めたテクスト(京本)が現れ、閩本は古本と京本の中間段階にあたる。明中期には京本とは逆に市場地劇本として白を大幅に増した通俗的なテクスト(徽本・弋陽腔本)が出現し、近代の地方劇はこれにさらに手を加えたものという。通行の汲古閣本・暖紅室本・李卓吾批評本は京本、世徳堂本・凌初成本は閩本に属し、中でも世徳堂本は古本に近いとする。
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