極渦の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/01 07:57 UTC 版)
季節変化に加えて、同じ季節の間でも、極渦は絶対的に安定を保っているわけではなく、極渦の範囲や強さは変化がある。この変化は極夜ジェット気流の流路変化と一致する。極渦に覆われる地域や極夜ジェット流路の変化は、寒気の流入パターンの変化と密接に関連している。また、ジェット気流の性質上、流路の変化は気圧の変化も引き起こす。 成層圏の極夜ジェット気流が変化すると、気圧変化や温度変化が伝わることで、対流圏の寒帯ジェット気流や対流圏中緯度の偏西風も同じように変化する。これにより、天気予報でもよく使われる「上空の寒気」の移動パターンが変化する。極渦がより低い緯度にせり出すと、ジェット気流流路の南下に加えて、極と気圧差が小さくなることで、寒気が流れ込みやすくなり、寒波に見舞われやすくなる。 この変動は、北極においては北極振動(AO)、南極においては南極振動(AAO)と呼ばれており、気圧の変動からその動きが推定されている。対流圏の気圧観測では、極点周辺とその周りを取り巻く高緯度地域の間でシーソーのような気圧変化が見られるのに伴って極渦が変化するため、北半球環状モード(NAM)や南半球環状モード(SAM)とも呼ばれる。
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