村松志保子
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村松 志保子（むらまつ しほこ、1854年[3]〈安政元年7月23日[4][5][* 1]〉 - 1922年〈大正11年〉1月26日[6][* 2]）は、日本の医師[9]、助産師[10]。日本の明治期以前までの出産の危険性を憂いて、自ら産婆（助産師）になると共に、産婆学校を起こして後進の育成を図った[3]。経験の身に頼っていた「産婆」に代わり、近代的な知識と技術を兼ね備えた「助産師」の誕生となる道筋を作った人物であり[3]、「助産師の母」とも呼ばれる[11]。実業家の山田宗有（山田寅次郎）は従姉弟（志保子の母の弟の子[12]）[13]、ロシア学者の八杉貞利は甥（妹の子）にあたる[14]。
注釈
- ^ a b 生年は1856年と1854年の2つの異説がある[1]。墓碑銘では安政3年（1856年）7月23日だが、読売新聞の履歴では安政元年（1854年）8月である[1]。没年齢は数え年69歳であり[1]、後者の1854年なら計算が合うこともあり、多くの人名辞書は後者の説を採用している[2]。一方で本所区に提出された志保子の生年は、安政元年7月である[2]。虎の門病院産婦人科部長の石田力は、8月を新聞の誤記と判断し、生年月日を安政元年7月23日と結論づけている[2]。
- ^ a b c 安生堂医院の開設は1882年（明治15年）[7]、没年月日は1921年（大正12年）9月1日（関東大震災で被災死[8]）とする説もある。
- ^ 岡本喜代子は、志保子が正式に試験を受けていたら女医第1号になっていた可能性を示唆している[21]。
- ^ 安生堂産婆学校の設立時期は、墓碑銘では明治21年（1888年）とあるが、本所区役所に届けられた「私立各種学校表」には明治19年（1886年）とされている[2]。前掲の石田力は、読売新聞の1889年（明治22年）5月の淑女館紹介記事に「別科として産婆学を教え」とあることから[2]、この別科を産婆学校の前身と見なし、それを明治19年としている[2]。
- ^ 志保子は離婚後に再婚せず、子供もいなかったが、後に養女をとった[19]。
出典
- ^ a b c 石原 2008c, p. 87
- ^ a b c d e f g h i j 石原 2008c, pp. 88–89
- ^ a b c d 西条 2009, pp. 78–79
- ^ a b c d e f g h 岡本 2007, pp. 6–7
- ^ a b c d e f “村松志保子助産師顕彰会”. 村松志保子研究会. 2022年3月8日閲覧。
- ^ a b c d “村松志保子とは”. 村松志保子助産師顕彰会 (2021年). 2022年3月8日閲覧。
- ^ a b c 「女医の草分け、村松志保子の墓碑戻る 孫の女性、東京・墨田区へ寄贈申し出」『読売新聞』読売新聞社、2000年5月23日、東京朝刊、30面。
- ^ a b c d e f g h 岡本 2007, pp. 8–9
- ^ 『日本人名大辞典』、上田正昭他監修講談社、2001年12月6日、1980頁。ISBN 978-4-06-210800-3。2022年3月8日閲覧。
- ^ a b c 大東祐紀「石碑 助産師・村松さんを記念 松前・高忍日売神社で除幕式」『毎日新聞』毎日新聞社、2012年5月27日、地方版 愛媛、23面。
- ^ a b 「“助産師の母”村松志保子の石碑 松前・高忍日売神社で除幕」『読売新聞』、2012年5月27日、大阪朝刊、27面。
- ^ a b “松村志保子 発見 活躍 花華一族”. 村松志保子研究会 (2005年3月8日). 2022年3月8日閲覧。
- ^ a b “村松志保子年譜”. 村松志保子助産師顕彰会. p. 2 (2005年). 2022年3月8日閲覧。
- ^ a b c 石原 2008b, pp. 94
- ^ a b c “村松志保子……調査・研究・書”. 村松志保子研究会 (2004年). 2022年3月8日閲覧。
- ^ a b c d e f 石原 & 原島 2006, p. 58
- ^ a b c d e f g 西条 2009, pp. 80–81
- ^ a b c d e 村松志保子助産師顕彰会 2005, p. 1
- ^ a b c d e f 西条 2009, pp. 82–83
- ^ “調査・研究・書”. 村松志保子研究会 (2012年7月). 2022年3月8日閲覧。
- ^ 岡本喜代子「2019年度 島根県立大学出雲キャンパス客員教授特別講義 助産師の専門性と将来展望」『島根県立大学出雲キャンパス紀要』第16号、島根県立大学、2020年12月24日、 7頁、 NAID 120006951309、2022年5月18日閲覧。
- ^ a b 石原 & 原島 2006, p. 59
- ^ 小山田 2016, p. 103
- ^ a b 石原 2007, pp. 106–107
- ^ a b c d 石原 2007, pp. 108–109
- ^ a b 村松志保子助産師顕彰会 2005, p. 3
- ^ 村松志保子助産師顕彰会 2005, p. 4
- ^ a b 石原 2007, pp. 56–58
- ^ a b c d 西条 2009, p. 84
- ^ 「助産師ら26人、7団体を表彰 村松志保子顕彰会」『朝日新聞』朝日新聞社、2006年4月4日、東京地方版、27面。
- ^ a b 「ろうけん隅田秋光園に村松志保子のブロンズレリーフ完成」『東都よみうり』東都よみうり新聞社、2012年7月12日。2022年3月8日閲覧。
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